佐藤淳子の家庭料理教室

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 おしゃれなパリ、スイスのパン学校
 
 神戸のフロンドリーブのパンの味に魅せられて以来20年。子育てのかたわら、パン作りの研究を続けてきました。

 最初は膨れないぼそぼその軽石のようなパンしかできず、フレンチトーストにして子供達に食べてもらったり、パン粉にしたり、ひどい時には新聞紙に包んで捨てたことも度々ありました。
 主人もそんな私を気の毒がり「パンはパン屋さんに任せたらどうだ?」などと言っておりましたが、3歳、5歳の子供と一緒にパン生地を叩いていたあの頃が今では懐かしい思い出となりました。

 その後、ドイツ帰りで東京深大寺のお住まいの島津睦子さんのパン教室に通ったり、早朝4時起きして近所のパンやさんでお手伝いさせていただいたり、多くのパン職人さんに教えていただきながら研究を続け、ようやく手作りのパンのうまさが醸し出されるようになりました。
 しかし何といってもパンの文化はヨーロッパが本場、機会があればぜひ本物の技術を見聞し、味わってみたいというのが私の長年の密かな願いでした。

 昭和63年6月、子育て卒業旅行の思い出を胸にしまい、島津先生と共にウィーンの「ザンクトポルテン製パン学校」、スイスはルツェンの「リッチモンド製パン専門学校」、そしてパリの「ルノートル製パン学校」に入校いたしました。

 ウィーンではマイスターと呼ばれる75歳のお二人の先生が、そのお父さんから伝えられたというパンの数々を、楽しそうに誇らしげにやさしく教えてくださいました。イースト菌は生き物ですから、パン作りでは手を入れるチャンスがとても大切で、まるで子供を扱うようにタッチしていきます。
 スイスのリッチモンドは、山と湖の見えるとても素敵な環境に学校がありました。こちらでは、麦の中心の白い所ばかりを製粉してパンを作っていたのでは二十日ネズミも2週間で死んでしまうと、繊維質・ビタミン・脂質の多い全粒粉を細かく製粉した強力粉を使用し、それに適したパン作りの研究が行われていました。  日本でも食生活におけるパン食の比率が高まっている昨今、学校給食からして白い小麦粉だけで作るパン作りは、考えなければいけないと強く感じました。

   パリのルノートルではクロワッサンとフランスパンが特にしゃれていて、あのパリッとした歯ざわりを楽しみました。
パリは万事おしゃれ感覚が優れていて手仕事が美しく、教室も綺麗で緑に囲まれた良い環境にあり、機能的な所は少しでも採り入れたいと思いました。

 粉の違い、気温や湿度の違いなどありますが、本場のパンに接してみると、自分で研究してきたことが確認され、今まで私が教えてきたパンが間違いないものだったと確信できました。
むしろ日本の粉は贅沢で、何種類にも分類されています。

 良質の粉を使う手作りの贅沢なパンを今後も作り続けたいと、感激も新たにヨーロッパを後にしました。



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